退屈な聖書の記録

あ〜あ、退屈…。眠くなるわ。

ハモニーさん、何を読んでるんですか?

聖書の歴代誌上。

ああ、系譜が書いてあるやつですね。

そう。毎日十章読もうとかなと思って今日も開いたんだけど、何なのこの系譜…。集中力もたなくて、早朝にも開いたんだけど思わず寝ちゃって…。

はは、分かります。
イスラエルの各部族の間で土地が移動しないようにとか、祭司はアロンの家系から出るから、それが分からなくならないようにとか、そんな用途だったんでしょうけど、現代の聖書の読者とは直接には全くもって無関係な感じがしますよね。

この系譜も神が記録させて聖書となっているからには、人間が土地を管理する以上の意味があるのです。
聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。
テモテへの第二の手紙3:16

あ、ν(ニュー)さんが現れた。
そこまでおっしゃるなら、この系譜の価値を是非教えてください。

よろしい。では始めましょう。(真理の力で変身)
神の歴史は善悪を裂いて導く

ノアの後にセムの家系とハムの家系が分かれ、一方はイスラエル民族に、一方はエジプト、カナン、ペリシテ民族に成長していきます。このセムとハムについては、神が祝福した者と呪われた者です。
カナンはのろわれよ。彼はしもべのしもべとなって、/その兄弟たちに仕える。セムの神、主はほむべきかな。
創世記9:25-26
さて、テラからはアブラハムとロトの父ハランが生まれ、ロトからモアブとアンモンが生じ、アブラハムからはイシマエルとイサクが分かれました。イサクからはエサウとヤコブが分かれた後にエサウからエドムの部族が生じ、ヤコブからイスラエル民族が生じました。
これらの部族の関係性はご存知ですね?

はい。モアブ、アンモン、エドムはいつもイスラエルと争いましたね。

いかにも。
さて、ソロモンの後には国の分裂が生じるも南ユダがダビデの家として残されました。
エリヤキムの後にエホヤキンとゼデキヤが分かれ、一方はバビロンに妃、母、高官と共に投降して生き延び、一方は反逆と逃亡によってその子もろともに滅ぼされました。そうしてゼルバベルが生き残った方の家系から出てエルサレムの復興へとつながっていきます。

なるほど、神様は常に二つのものを裂いて歴史を導かれてきたんですね!

イスラエルとユダの話でふと思ったんだけど、今お隣の国は北と南に分かれて、北は人間を崇拝して、南はイエス様の再臨を待ち望む世界有数のキリスト教の信仰が熱い国になっているよね。なんだか似てるなって思いました。

…。

余計でした。すいません…。

歴史は繰り返します。その事も意味があるかもしれませんし、ないかもしれません。

…あるといいですね。

(νさんが珍しく煮えきらないことを言ってる!)
キリストに関する各地の預言

系譜といえば、マタイによる福音書にもありますよね。そこでは系譜によってイエス様がダビデの子孫だということを示しています。

はい、アブラハムからダビデ、ダビデから捕囚まで、捕囚からイエスまでが全て十四代であると、「十四」というダビデを表す数字を強調しながら、イエスこそユダヤ人が待ち望んでいたダビデの子孫たるキリストであることを、「異邦人」ではなく、イエスを不信して排斥したほかならぬユダヤ人らに向けて否定しようのないように証したのです。

一方で、ユダヤ人以外に向けてもイエス様が救い主だという預言が存在したんですよね。東方の博士たちは星を見て「王が生まれる」と分かったようですし(マタイによる福音書2:2)。

エクセレント!
いかにも、存在しました。なぜなら、主イエスはユダヤ人にとっての救い主であるのみならず、全世界にとっての救い主だったからです。
そしてこれはイエスがまた来ると言われた新しい時代においても同様なのです。

大きな人とか救い主に関する予言って。ノストラダムスの終末の預言、マヤ歴の終末の預言、アメリカ原住民に伝わる白いバッファローを従える救い主の預言、中国の推背図、韓国の鄭鑑録や竜が昇る門の預言、日本の火と救い主に関する預言書とか、いろいろありますよね。

え、そんなにあるんですね。ハモニーさんよく知ってますね。

実はオカルト好きだったりします。

グレート。
そのように世界の至るところに神は救い主の預言を残されてきました。全世界が待ち望むキリストは聖書に記録された預言をことごとく成就していく一方で、このような世界各地に伝わるあらゆる預言をも世界に歴史を広げる過程で図らずも成していくのです。

世界中に預言があるということは、世界のどこからでもキリストは現れ得るのでしょうか?

それは違います。なぜならやはり「救いは『ユダヤ人』から来る」からです。
これについてはここでは語りきれませんので、NHCの聖書講座で訊いてみるとよろしいかと。
キリストは時に合わせて来る

イエス様がまた来られる時にこういった預言をことごとく成されるって言うけど、もしいろいろな人が何百年間という期間の間に同じように成就したらどうなるんだろう。

その心配はありません。聖書にはイエスの再臨の時に関する預言があります。キリストはそうした時に合わせて成すことになっています。
というのは、人間のうちで誰一人として時までも偽ることはできず、神が遣わした者でなければ全ての時を合わせることはできないということを示すためなのです。

もし既に成されているんだとしたらどうしよう…。

まあまあ、そう焦ることはありません。キリストは何よりもまずその御言葉によって知られるのです。
話すことなく、語ることなく、その声も聞えないのに、その響きは全地にあまねく、その言葉は世界のはてにまで及ぶ
詩篇19:3-4
とあるとおり、福音は目を覚ましていれば必ず聞こえてきますから、見逃すことはないでしょう。

そうか、よかった。これからも御言葉をしっかり学んで備えます。
νさん、ありがとうございました!